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| 『一歩の距離』(文藝春秋、1968年) |
いつもお世話になっている奈良県在住のSさんから教えていただいて、城山三郎の『一歩の距離』を読んだ。
中古本を購入しようと思ったが、手頃な価格では手に入らないことがわかったので、市立図書館から借りた。
小説の舞台は、戦争末期の大津航空隊と滋賀航空隊である。予科練を出たばかりの若者の生死が書かれている。
戦局が悪化したある日、目を閉じた整列の中から特攻を志願する者は一歩前に出るようにという命令を受ける。
前に出た者のうち、1人は人間魚雷となって戦死し、1人は終戦を迎える。前に出なかった者はずっと悔やむ。
私が生まれる前の15年前の話である。もし、私が30年前に生まれていたら、1歩前に出られなかっただろう。
明日は終戦記念日である。戦争で亡くなった方のご冥福を祈るとともに、平和に生きることの有難さを想う。

4 件のコメント:
文学とは、あるいは小説とは、設定されたある一定の環境や状況の中でどう生きるかを実験する装置。この「一歩の距離」では、目をつぶって特攻隊志願、というまさにギリギリ限界の選択を迫られた状況における人間の所為を描いて人間とは何かを問い掛けているのだろう。読んでみたくなった。本は図書館がいい。その方が後回ししないで確実に読む。
広島のお生まれですと、尚更、感じられることがお有りだと思います。
コメント、ありがとうございます。城山三郎は「あとがき」で、「これは事実の記録ではない。戦争の真実、ある青春の真実といったものを、造型して世に問おうとしたものである」として、「いろいろお教え頂いた甲飛十三期生の方たちに御礼申し上げる」と書いているので、かなり実話に近いのだろうと思います。
コメント、ありがとうございます。一歩前に出たうちの1人は、人間魚雷の訓練基地の山口県大津島へ出発しました。私は、ずいぶん前に江田島の旧海軍兵学校へ行って、特攻で亡くなった若者の遺書を見て涙した記憶がありますが、次の帰省の際に再訪しようと考えています。
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