2026年8月23日日曜日

日御子(ひみこ)

『日御子』(講談社、2012年)


 福岡県在住で本が好きなKさんに教えてもらった帚木逢生の『日御子』を、広島へ帰省中にずっと読んでいた。
 伊都国の王宮に銅鏡が飾られていたと書かれた箇所で、4月に投稿した伊都国歴史博物館(注)を思い出した。
 (注)知命庵: 伊都国歴史博物館(クリックすると飛びます)を参照

 中国との使譯(通訳)の一族を通して日本の古代を描いており、四つの教えが引き継がれて行くのも興味深い。

 一族は「あずみ」である。伊都国では「安澄」だが、「阿住」、「安曇」、「安住」、「安潜」も同じと書かれている。
 実は、滋賀県にも湖西に「安曇川」(あどがわ)があり、拙著で「海人族を統率する氏族名」と説明している(注)。
 (注)『やっぱり滋賀が好き』の89頁を参照

2026年8月22日土曜日

吉里吉里人

『吉里吉里人』(新潮文庫、1985年)


 井上ひさしの『吉里吉里人』が何故か突然気になって、読みたくなった。1985年発売の発売だから40年前である。
 書店で買おうとしたが、井上ひさしの文庫本がない。『吉里吉里人』があっても上中下の一冊だけのこともあった。
 上中下が揃っていた紀伊国屋書店で買ったのは4月頃だった。それから読み始めて、先日やっと下巻を読み終えた。

 井上ひさしならではの下ネタ満載に抱腹絶倒していたが、あまりの長篇に斜め読みになってしまった部分はある。
 日本SF大賞の受賞作品であるが、吉里吉里国の独立という発想は地方創生と繋げると現在に活用できる気がする。

オフェイロン短編集

『オフェイロン短編集』(岩波文庫、2026年)


 本日投稿した『人新世の「黙示録」』を書店で買った際、面白い本も一緒にと思い『オフェイロン短編集』を購入した。
 全く知らなかったが、アイルランドの短編の名手であり、軽妙な短編が並んでいて、あっという間に読んでしまった。
 思春期の男の子の葛藤、中年期の独身男性の苦悩、老年期の夫婦のすれ違いなど、内容的には現在でも十分通用する。

 私は「不実な妻」が一番面白かった。それにしても、没後30年以上経って短編集の新刊が出るとは羨ましい話である。
 

人新世の「黙示録」

『人新世の「黙示録」』(集英社、2026年)

 8月12日の投稿で『人新世の「黙示録」』を読んでみると書いた。表紙の帯にあるとおり、「人新世」シリーズ第2弾である。
 今回は「脱成長コミュニズム」ではなく「暗黒社会主義」を掲げる。気候変動にマルクスの思想で対抗する発想は面白い。
 しかし、「暗黒」という言葉には、違和感を正直持った。未来が「暗黒」なものであるとしたら、人はついてくるだろうか。

 筆者は「未来はやはり、本書を読んだあなたが、それに向けて立ち上がる決断をするかどうかにかかっている」と結んでいる。
 私は、明るいとは言えないまでも希望のある未来がいい。そのために、パラダイムシフトが求められているのは間違いない。

2026年8月21日金曜日

石上神宮

石上神宮の楼門

 昨日、広島から東京へ戻った。帰路の途中、予てからの計画どおり奈良県天理市の石上神宮に立ち寄った。
 新幹線を新大阪で降りて地下鉄と近鉄を乗り継ぎ、天理駅からはタクシーに乗って、10時に神社に着いた。
 石上神宮は日本最古の神社の一つで国宝の七支刀で有名であるが、思っていたよりも質素な佇まいだった。

 「ご由緒のしおり」を読むと、御祭神の一つである布留御魂大神について起死回生の霊力という説明がある。
 参拝をしておみくじを引いたら大吉だったが、「されば欲を離れて人のために尽すべし」と書いてあった。
 近江と関係があるものを探していたら、下の説明板が見つかった。「ワタカ」は琵琶湖に生息する鯉である。

鏡池のワタカの説明板

 天理駅までの帰りは歩いた。商店街は閑散としていたが、駅待合室は天理高の甲子園応援で盛り上がっていた。

2026年8月20日木曜日

真夏の果実

「真夏の果実」 youtubeより

 今年の夏は広島へ6週間帰省していた。長かった広島での暮らしも終わり、今日、東京へ戻ることになる。

 先日の投稿でも登場した奈良県在住のSさんから映画『稲村ジェーン』の話が出て、この曲を思い出した。

 「真夏の果実」はサザンオールスターズの1990年7月の曲だが、私はアルバム『稲村ジェーン』で聴いた。

 「こらえきれなくて ため息ばかり 今もこの胸に 夏は巡る」と唄っている。嗚呼、今年も夏が往く。

2026年8月16日日曜日

きっと同じ

「きっと同じ」 youtubeより

 立秋を過ぎて日が短くなり始めた。朝の散歩の時、太陽が昇る前に秋の風を感じる。季節は移ろい始めた。
 1982年7月にオフコースがリリースした楽曲「きっと同じ」は、アルバム『I LOVE YOU』に収録されている。
 「昨日のことは 誰れも聞かない 変わって行くのは 心も同じ」で始まる歌詞は、全くそのとおりだと思う。

 不思議なもので、季節とともに人の気持ちは移ろう。いつまでも同じ気持ちでいることは本当に難しい。