「 功成り名遂げて身退くは天の道なり」は老子の言葉である。81章にわかれている『老子』の9章に書かれている。
私は、日本公庫大津支店に勤務していた時、この言葉をある中小企業経営者の弔辞の一部に使用したことがある(『やっぱり滋賀が好き』152頁を参照)。
このたび改めて言葉の意味を知りたくなり、当時読んだ書籍が見つからないので、文庫本を3冊購入した。
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「春は春の仕事を終えると夏に地位をゆずる」とあり、ポストオフ後に定年まで勤めた友人の苦労が説明してあった。
説明があっさりしていて少し物足りなかった。老子と荘子の言葉を50ずつ取り上げるとすれば簡単にならざるを得ないのだろう。
「持してこれを盈たすは(身の引きどき)」とあり、「いつまでも器をいっぱいにして満たしつづけようとするのは、やめたほうがよい。」と書いてある。
因みに、使用した底本のまま「功遂げて身の退くは」となっており、「名遂げて」の部分は別の原典によるものであると説明している。
説明は似たようなもので、「盈ちたりた状態を失わぬように保ち続けるのは、やめておいた方がよい。」と書いてある。
この本でも「功遂げて身退くは、天の道なり。」となっており、「『成』、『名』は後世の挿入であろう。」と注釈が付いている。
講談社学術文庫の解説には、「『無知無欲』であれ、『無為』であれと、老子は主張する。」と書かれている。私は身退いたが、無欲にはなれそうもない。



2 件のコメント:
老子の解説、ありがとうございます。そういうものだなと受け止めました。
私もセカンドキャリアを考える時期になりました。老子の言葉も参考に、人生の先輩の生き方、考え方を参考にさせていただきます。
コメント、ありがとうございます。ストレスフリーな生き方がいいですね。好きなことをするのが一番でしょう。
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