日本語で言うと「鼻持ちならない」と言う感じだろうか。私がこの言葉を耳にしたのは35年前のニューヨークだった。同じ職場にいた佐藤さんの口癖だった。
翻訳の専門家として勤務していたのが佐藤紘彰氏だった。佐藤さんは英語俳句でも有名で、猪瀬直樹氏の『ペルソナ 三島由紀夫伝』を元に独自に書き加えた作品など、多くの著作がある。
さすがに英語の達人で、私の英語など佐藤さんから見ると幼児に等しい。もっとも外国人の幼児の英語ですら私には十分に理解できているとは言い難いが。
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『マンハッタンかるちゃあスクール』より (佐藤紘彰、フリープレスサービス、1990年) |
普段の佐藤さんは酒好きの人の好いおじさんである。ニューヨークでは、佐藤さんがウォッカのスミノフ、私がバーボンのジャック・ダニエルのロックをいつも飲んでいた。
職場の女性を誘って近くのバーで飲む時、佐藤さんからSpeak up(はっきり言って)と言われたが、早口でまくしたてる美人を前にしどろもどろだった。
不思議な縁で現在もメールのやり取りがあり、拙著『やっぱり滋賀が好き』(31頁)に登場していただいた。その影響は甚大で、嫌なことがあるとこの言葉を口にしてしまう。
Disgusting!
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