2025年10月30日木曜日

When October Goes

"When October Goes" youtubeより

 ニューヨークのブルックリン生まれのバリー・マニロウの曲である。私は10月の終わりになるとこの曲を思い出す。
 「10月が往く頃」という曲のタイトルが日本的だと思ったが、アメリカでも季節や年月が往くという感覚は共通なのだろう。
 曲の始まりは次のとおりである(拙訳は筆者)。

 And when October goes     そして10月が往く頃
 The snow begins to fly        雪が舞い始める
 Above the smokey roofs     鉛色の屋根の上を
 I watch the planes go by     飛行機が通り過ぎるのを見る
 The children running home     子供が家路を急ぐ
 Beneath a twilight sky      たそがれの空の下

 Oh, for the fun of them        嗚呼、みんな楽しみだった
 When I was one of them      私もその一人だった頃

 10月という冬の訪れを慈しんでいるように聴こえるが、歌詞の二巡目に入るとそうでないことがわかる。

 And when October goes      そして10月が往く頃
 The same old dream appears   同じ古い夢が現れる
 And you are in my arms        君は私の腕の中にいて
 To share the happy years     幸せな歳月を共に過ごす
 I turn my head away       私は顔をそむけて
 To hide the helpless tears       やるせない涙を隠す

 Oh how I hate to see October go    嗚呼、10月が往くのを見るのはなんて嫌だろう

 10月に別れた恋人を思い出し、幸せだった日々を懐かしんでいる。曲の終わりに向かってその気持ちは高まっていく。

 I should be over it now I know     乗り越えなければとわかっている
 It doesn't matter much      でもあまり変わらない
 How old I grow            どれだけ歳を取っても
 I hate to see October go        10月が往くのを見るのは嫌だ

もうすぐ10月が終わる。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いい歌を聞かせてもらった。ありがた山。切ない、そしてしみじみしい秋の歌。秋の日にもの思う心は世界人類共通なのでせう。ご苦心の和訳も雰囲気ぴったりの名訳と思う。この和訳で歌うと、合います。お終いから3行目のIt doesn't

匿名 さんのコメント...

It doesn’t matter much は直訳では、重大なことではない、大したことじゃない、些細なことさ、ナンクルナイサ(沖縄)と自分に言い聞かせている→でもあまり変わりないという意訳は当を得ていると思う。なお、歌は大御所のRosemary Clooney to推測、正しいか。渋い。

大鯰 さんのコメント...

コメント、ありがとうございます。私も口ずさみますが、やはり英語がいいですね。"When October goes"の第三人称の形が"I hate to see Octobet go"の不定形に文法どおりなっているところが好きです。
作詞について、インターネットによると次のとおりです。
この歌の歌詞は、「ミスター・アメリカ」と呼ばれ、「Moon River」、「The Days Of Wine And Roses」などでオスカーをとった有名な作詞家、「ジョニー・マーサー/Johnny Mercer」(1909年11月18日-1976年6月25日)の作詞である。彼の妻が彼の死後、遺品を整理していた時に偶然見つけたそうである。彼女は、そのとき直ちに「マニロウに曲をつけて歌ってもらおう」というインスピレーションが閃いたそうで、また詩を渡されたマニロウも、この詩の奥に流れている「スピリチュアルなもの」に動かされ、曲が完成するのに15分もかからなかったそうである。そんな二人の直感、閃き、想いがこの美しい曲、「When October Goes」を産んだのである。