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『ムーミンパパの思い出』のムーミンパパ |
ムーミンパパのことはほとんどの人が知っているが、ムーミンパパがどういう人(妖精と言うべきか)であるかはほとんどの人が知らない。
例えば「ムーミンパパの職業は何か」という質問にどれだけの人が答えられるだろう。私は「彼が小説家で、まだ一冊の本も出したことがない」ということを聞いたことがあるが、そのことを話すと大抵の人は「そうだったんですか」という顔をする。
「ずっと前のことです。陰気な風のふくある八月の夕がた、ムーミンみなしごホームの階段の上に、ごくありふれた買い物用の紙ぶくろが一つ見つかりました。この紙ぶくろの中にいたのが、ほかでもない、このわたしでした。むぞうさに、新聞紙につつまれていたのです。」
ムーミンパパの小太りで(ムーミン一族は全てそうである)優雅な姿からは想像もできないことで、私もそんなことは考えたことがなかった。
しかし、言われてみればムーミングランパやムーミングランマなんて聞いたことがない。因みに、同じ外国のアニメキャラクターであるバーバパパは、絵本作家の「アネット・チゾンさんとタラス・テイラーさんが街角のカフェで、紙製のテーブルクロスにいたずら書きを交換しているうちに誕生しました」となっている。
バーバパパもバーバグランパやバーバグランマは存在しないが、ムーミンパパの場合は、ムーミングランパやムーミングランマは存在していたが、捨てられてみなしごだったという点が異なっている。
ムーミンパパは冒険家で、小説家である。『ムーミンパパの思い出』では、若い頃の冒険の日々を家族に語り、「思い出の記」に書き記す。
小太りな体型(ムーミン一族は全てそうである)が似ていることから、肥満気味の中高年が集まって「ムーミンパパの会」と称しているのを聞いたことあるが、本当のムーミンパパは一生冒険家である。
『ムーミンパパの思い出』のプロローグで、夏風邪をこじらせて死ぬんじゃないかと心配になったムーミンパパは、ムーミントロールとスニフとスナフキンをよんでこさせ、三人に向かって次のとおりいいきかせる。
「おまえたち、ほんものの冒険家として、生きるのだよ。それをけっしてわすれてはならないよ」
ムーミンパパの相方であるムーミンママは理想的な女性像(女性の妖精像と言うべきか)といったものだろう。
ムーミンママは母性の象徴的存在で、いたずらばかりしているムーミンを見ても「アラ、アラ、アラ」と言うばかりで叱ったりはしない。
体型的にふくよかであるが(ムーミン一族は全てそうである)、痩せているよりも少しふくよかな方が女性的と感じるのは私だけだろうか。特に中年になってからは、ふくよかな方がいいと思う。
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『たのしいムーミン一家』のムーミンママ |
7 件のコメント:
(ムーミン一族は全て…)と全てに注釈付きなのが、笑いのツボに入りました。
コメント、ありがとうございます。人間から見ると小太りですが、ムーミン一族にとっては標準体型なのでしょう。羨ましい気もします。
本を出したいことのない小説家、 誰にも読まれたことのない詩をいっぱい書いている詩人、理想の人生を送っている人たちです。
ミスプリ訂正=出したい、ではなく、出した=です、ム-ミンのように。
コメント、ありがとうございます。私が文章を書くのは書きたいと思うからで、本を出したいとか人に読んで欲しいとかという気持ちが先にある訳ではありません。ただ、文字にすることで人に見られる宿命を持つようになる気がします。
初めて投稿します。ムーミンネタ、面白いです。
コメントありがとうございます。受け狙いではありませんが、これからも面白いと言っていただけるような投稿に心がけます。
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