斎藤茂吉のミルク鰻丼を作ってみようとうなぎ蒲焼
の缶詰を買った。四方田犬彦の「ラブレーの子供たち」
で紹介されていたレシピにしたがって、冷や飯に缶詰
の鰻を乗せて温かいミルクをぶっかけた。僕は牛乳の
においがあまり好きではないが、蒲焼の味が濃いので
気にならなかった。「生命力の権化ともいえるこの魚
を口にすることは、歌人茂吉にとって生そのものをみ
つめるのに絶好の機会であった」と四方田氏は書いて
いる。名著「万葉秀歌」の序で、評釈を離れて歌自身
を反復熟読することを茂吉は勧めている。万葉集の歌
には、鰻と同じように不思議な生命力が感じられる。
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