2015年8月30日日曜日

琵琶湖周航の歌

司馬遼太郎は「街道をゆく」1の「湖西にみち」の冒頭で、「『近江』というこのあわあわとした国名を口ずさむだけでもう、私には詩がはじまっているほど、この国が好きである」と書いた。文豪と比べるようで恐縮だが、僕もそれくらい滋賀県が好きである。大きな琵琶湖の周りには、僕の好きな場所がいくつも転がっている。その中の一つ、「琵琶湖周航の歌」資料館へ行った。JR湖西線の近江今津駅と琵琶湖汽船の今津港の間にある。今津港から竹生島へ渡ることができ、お天気が良ければ竹生島の後ろに伊吹山が見える。資料館で久しぶりに受付の方と話すことができた。5年以上経っているが、僕を憶えておられた。湖西の静かな佇まいは素朴で、住人の人柄も優しくて美しい。自分のお土産に写真の絵葉書を買った。

2015年8月16日日曜日

万灯祭(多賀大社)


日本大歳時記によれば、盆は仏教の行事が日本の固有信仰と自然に結びついたものであり、本来、年二期の祖霊祭の一つであるとされている。万灯祭も、御祭神である伊邪那岐大神の
姫神で、黄泉の国を主宰される伊邪那美命に感謝の献灯をする祭(多賀大社由緒畧記)であり、八月三日から五日に行われているが、かつては八月十五日頃に行われたこともあったらしい。万灯祭を含め多賀大社では多くの祭事が行われるが、最重儀は四月二十二日古例大祭である。騎馬多数の供奉が行われるところから馬まつりとも呼ばれるが、その儀式に関する多賀大社由緒畧記の記述を読むと、過去の戦いと関係している気がする