己高山と書いて「こだかみやま」と読む。湖北の木之本から山側に少し入った古橋に登山口がある。標高九百二十三メートルというから、さほど高い山とは言えないだろう。この山に前から一度登りたいと思っていた。その理由は山頂の近くに鶏足寺跡があるからである。鶏足寺は「己高山由緒」において行基によって創建され泰澄も入山した後に荒廃し、最澄が再興したと書かれている。琵琶湖を望む台地に礎石、石垣、庭園等が姿をとどめているとのことであり、そこまでの登山案内図が上の写真である。下の写真は往時の鶏足寺の様子を描いたもので、そこにかつて安置されていたとされる仏像が収蔵されている麓の己高閣(「ここうかく」)の前にあった。右上に白山が描かれているが、己高山の山頂まで登れば遠く白山を望むことができるそうである。膝を痛めていたこともあって、六地蔵の手前までしか行けなかった。白山への道は遠い。